
原状回復は賃貸物件の入居者の義務

原状回復とは、入居者の使用により減少した建物価値のうち、故意や過失などで起きたものを復旧することです。
それでは、具体例をあげていきましょう。
原状回復の対象となる例
国土交通省のガイドラインには、原状回復の対象になるのは入居者の「故意・過失、善管注意義務違反」などとあります。
具体的には入居者が傷つけた床や、汚した壁紙、換気扇、レンジ台などは、すべて原状回復の対象です。
あわせて、浴室に発生したカビや湯アカ、水アカも原状回復の対象なのは、善管注意義務違反に当たるから。
賃貸物件への入居者は善良な管理者(善管)として注意を払う義務があり、それを怠ったために、カビや湯アカ、水アカが発生したと見なされるからです。
原状回復の必要がない例
入居者の使用以外で減少した建物価値に、復旧義務はありません。
代表的なものは、壁紙やフローリングの変色といった経年劣化ですが、重い家具の設置によるへこみや、冷蔵庫など家電製品背面の壁に起こる焼けにも復旧義務はありません。
引っ越しするときのの掃除方法

原状回復費用の請求を抑えるためには、できる範囲で掃除をおこなうのがおすすめです。
傷ついた床の補修は難しいとはいえ、大掃除で回復しそうなものは、できるだけおこないましょう。
用意したい洗剤の種類
引っ越し前の大掃除で用意したいのは、中性・アルカリ性・酸性という3種類の洗剤です。
理由はさまざまな汚れに対応できるから。洗剤には得意不得意があるので、汚れに応じた使い分けが大切になります。
中性洗剤に向く汚れ
中性洗剤は、それほどひどくない汚れに使います。まずは中性洗剤で掃除してから、ポイントにアルカリ性や酸性の洗剤を用いるとよいでしょう。
家中に使えるかんたんマイペットや、特定の場所用のバスマジックリン、トイレマジックリンが代表例です。
配合された界面活性剤で汚れを落とし、素材を傷める心配が少ないのが特徴です。
アルカリ性洗剤に向く汚れ
重曹、セスキ炭酸ソーダ、キッチンマジックリンなどのアルカリ性洗剤は、油に由来する汚れに向いています。
具体的にはキッチンの油汚れやバスルームの湯アカ、スイッチに付く皮脂汚れといった、酸性の汚れを中和して落とします。
酸性洗剤に向く汚れ
クエン酸、サンポール、トイレハイターなどの酸性洗剤は、アルカリ性の汚れに効果があります。
具体的にはトイレの黄ばみや、蛇口などにできたウロコ状の水アカ、電気ポットの底にたまる白いカルキなどを中和して落とします。
キッチン周りの掃除法
キッチン周りに発生するのは、主に油汚れと水アカです。
レンジフードやレンジ台は、アルカリ性洗剤を用いてすっきりさせましょう。
こすっても落ちにくい場合はキッチンペーパーなどにアルカリ性洗剤を含ませ、汚れている個所に被せておく「パック法」が効果的です。
蛇口などの水アカには酸性洗剤が効きますが、かなり頑固です。
パック法でも落ちない場合、クレンザーなど研磨剤入りの洗剤を付けたスポンジでこすれば元の輝きが戻るでしょう。1000番以上の細かな目の耐水ペーパーで磨くのも有効です。
バスルームの掃除法
バスルームは中性洗剤では落ちにくい湯アカ、水アカ、カビが発生しやすい場所です。
湯アカやカビにはアルカリ性洗剤、水アカには酸性洗剤が効きますが、アルカリ性洗剤と酸性洗剤が混ざって人体に有害なガスが発生しないよう、同時に使うのは避けてください。
水アカが落ちない場合は、キッチン周りにならってクレンザーや耐水ペーパーを用いてください。
カビが落ちない場合はパック法を試したり、カビキラーなどの専用洗剤を用いたりするとよいでしょう。
換気扇のカバーを外して洗うことや、排水口に髪の毛が残ってないかの確認も忘れずに。
洗面台の掃除法
バスルームと同じような汚れが発生するので、それぞれに適した洗剤を用いてください。
鏡や蛇口の水アカの落とし方は、キッチン周りと同様です。
洗面台の上部や収納の扉や中も、水で濡らして固く絞った雑巾や家中に使える中性洗剤でふき掃除しておきましょう。
トイレの掃除法
集中的に掃除したいのは便器の黄ばみや裏側など、普段は掃除し切れない場所です。
酸性洗剤を用いることや、細かな箇所は使い古しの歯ブラシを用いることがポイントです。
汚れが落ちにくい場合は、洗剤を用いてしばらく置いてからブラシでこするか、パック法を試してください。パック法はキッチンペーパーの代わりにトイレットペーパーを用いると、そのまま流せて便利です。
便座や便座カバーが外せるタイプなら、外して家中に使える中性洗剤で汚れをふき取ってください。
壁や天井の掃除法
壁や天井のスミは、ホコリなどがたまりがちです。ノズルを付けた掃除機で、きれいに除去してください。
壁紙やスイッチの汚れは、家中に使える中性洗剤が有効です。壁紙の汚れは洗剤を含ませた雑巾で、叩くようにして落としてください。
シーリングライトの汚れはフードを外して中性洗剤でふき取りますが、たいてい割れやすい素材が用いられています。力を入れすぎると破損するので、できるだけ優しく扱いましょう。
床・廊下の掃除法
掃除機をかけた後に、固く絞った雑巾でふき掃除をおこないますが、タイミングは家具がすべて搬出された後が理想です。
今までの感謝を込めてふき掃除をおこなうと、よりピカピカになるかもしれません。
床下収納も床と同様に掃除機でホコリなどを取り去った後に、ふき掃除をおこなってください。
窓の掃除法
窓ガラスは家中に使える中性洗剤と雑巾を用いて掃除します。中性洗剤の代わりにガラス専用洗剤を用いたり、雑巾の代わりにT字型で先端にゴムが付いたスクレーパーを用いたりすると効率がアップするでしょう。
サッシはノズルを付けた掃除機でホコリを取った後、家中に使える中性洗剤で汚れをふき取ります。サッシの隅など細かな場所は割りばしの先にキッチンペーパーを巻き付けたものや、使い古した歯ブラシを使用してください。
網戸の掃除は、サッシから外しておこないます。全体にホースで水をかけた後、中性洗剤を付けたスポンジで全体を軽くこすって汚れを落とし、最後は水洗いで仕上げましょう。
ベランダ・玄関の掃除法
ベランダの掃除は、置いてあるものを移動してからおこないます。
落ち葉やゴミ、砂などを取り除いてから水で洗いますが、デッキブラシがあると効率的に作業できるでしょう。手すりには藻や苔が発生しやすいので、歯ブラシで軽くこすって取り除いてください。
最後に、もう一度水を流して仕上げてください。
玄関の掃除は砂を取り除いた後におこないますが、ベランダと異なり、なるべく水は用いないようにしましょう。
黒ずみが気になる場合は、中性洗剤を付けたスポンジでこすって落とし、固く絞った雑巾で水拭きしてください。
どうしても掃除できない場合の対処法

引っ越し前には原状回復が必要と知っていても、どうしてもできない方もいらっしゃるでしょう。
たとえば物がありすぎて、引っ越しの期日までに作業が終わりそうもないケースです。
そんな場合は、ぜひ買取いちばんドットコムにご相談ください。
買取いちばんドットコムに依頼する
弊社・買取いちばんドットコムは、不用品の買取・廃棄をおこなっている業者です。
ありすぎる物を引っ越しの期日までに片づけたいケースで、お力になれます。
買取いちばんドットコムに依頼するメリット
買取いちばんドットコムに、引っ越しできないほど散らかった部屋を任せるメリットは、次の5つです。
- ゴミの分別・廃棄・清掃を任せられる
- 買取と処分の両方を任せられる
- 引っ越し費用が安くなる
- 原状回復費用が安くなる
- 荒れた状態でも依頼できる
1. ゴミの分別・廃棄・清掃を任せられる
床一面にゴミが散乱して足の踏み場がない状態でも、弊社なら大丈夫です。
ゴミを分別・廃棄し、清掃までおこなうので、お客様は廃棄する、引っ越し先に持っていくなどの指示を出すだけです。
2. 買取と処分の両方を任せられる
弊社なら、不要な家具や家電製品、自転車などの買取もまかせられます。
可能な限り高く買取するので、引っ越し費用の足しになるかもしれません。
3. 引っ越し費用が安くなる
引っ越し費用は作業量と運ぶ荷物の量に応じて高くなります。
弊社が分別・廃棄・買取をおこなった後には、荷物は大幅に減っているはずなので、引っ越し費用が安くなるでしょう。
4. 原状回復費用が抑えられる
ゴミを残したまま引っ越しすると、高額な原状回復費用を請求されるかもしれません。
また、上でも見た通り、引っ越し前の清掃は必須の事項であり、清掃なしの退去も費用が心配です。
弊社なら清掃までおこなうので、原状回復費用はかなり安くなります。
5. さらに荒れた状態でも依頼できる
弊社は特殊清掃の経験も豊富です。
極限まで荒れた部屋の原状回復にも取り組んできたので、どんなに荒れていようともお任せいただけます。
買取いちばんドットコムに依頼するデメリット
弊社に散らかった部屋からの引っ越しを依頼するデメリットは、多少の費用がかかってしまうところです。あわせて、お客様ごとに状況が異なるので、費用相場もここではお伝えできません。
まずは、電話やLINE、メールなどでお気軽にご相談ください。
引っ越し業者に依頼する
しっかりと荷造りできたものだけを運ぶのが、引っ越し業者ではありません。
大手引っ越し業者の多くは、散らかった部屋からの引っ越しも引き受けてくれます。
メリット
引っ越し業者に散らかった部屋を任せるメリットは、次の2つです。
- 最低限の作業で引っ越しできる
- 電話やLINEでも見積りできる
1. 最低限の作業で引っ越しできる
ある大手業者によると、引っ越しまでに必要な作業は導線の確保です。
作業員が通れる通路があり、クローゼットが開けられるようになっていれば引っ越しできます。お客様がやることは、持っていく荷物の指示だけです。
2. 電話や写真で見積りできる
費用がいくらかかるか気になるなら、どのような状態かを電話や写真で引っ越し業者まで伝えてください。それだけで、大体の見積額がわかります。
買取いちばんドットコムや、ほかの引っ越し業者と相見積もりを取れば、引っ越し費用を安く抑えることもできるでしょう。
デメリット
引っ越し業者に任せるデメリットは、主に次の3つです。
- 清掃までは請け負ってくれない
- 引っ越し費用が高くなる
- 原状回復費用がかかる
1. 引っ越ししか請け負ってくれない
散らかった部屋でも引っ越しはできますが、それ以上のことは期待できません。
可能な物の買取や、清掃の請け負いは、多くの引っ越し業者はおこなっていないのです。
2. 引っ越し費用が高くなる
作業時間が上乗せされ、大量の荷物とともに引っ越しするので費用が高くなってしまいます。
整理は任せられますが、物が減るわけではないので、引っ越し先でもまた散らかった部屋になってしまうかもしれません。
3. 原状回復費用がかかる
掃除まで請け負ってくれないので、引っ越しの後にご自身で掃除しなければ、原状回復費用が請求されるでしょう。
▼散らかった部屋の引っ越しを詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください
汚い部屋でも引っ越しできる?費用・段取り・見積もりの不安を解消
引っ越し先でも掃除は忘れずに

退去後の物件の掃除とあわせて、引っ越し先での掃除も重要です。
新築やリフォーム、ルームクリーニング後のきれいな状態でも掃除が必要な理由は、次の2つです。
引っ越しの荷物が到着する前におこないたいので、掃除道具はご自身で運んでください。
たまったホコリを除去するため
しばらく人が入らないでいた家には、ホコリがたまっているものです。
掃除は照明器具やエアコンの上など高いところから始め、次第に床など低いところの掃除へと移ってください。
家具を設置して影になるような場所は、今後なかなか掃除できません。
よい機会なので、念入りに掃除しておきましょう。
新居の状態をチェックするため
掃除しながら、壁紙やフローリングに傷や落ちない汚れがないかをチェックしてください。
賃貸物件の場合、大家さんや管理会社と傷や汚れの情報を共有しておけば、退去時に原状回復を迫られた場合に断ることができます。
また、キッチンやバスルームなどの入居直後の状態を写真で記録しておけば、退去時にどこまで原状回復のための掃除をおこなうかの目安になるでしょう。
まとめ

原状回復の費用を抑えるために、引っ越し前の掃除は必要です。
大切なのは3種類の洗剤の使い分けなど、適材適所に道具を用いること。掃除の手間が大いに省けます。
乱れた部屋でどこから手を付けていいかわからない場合は、ぜひ買取いちばんドットコムにご相談ください。ゴミの分別や不用品の廃棄までおこなっているので、引っ越しの荷物が少なくなり費用を抑えられます。
あわせて、買取いちばんドットコムは、不用品の中から可能なものを買取ります。引っ越し費用の足しになるかもしれません。



