武蔵村山市を象徴する存在といえば、野山北・六道山公園です。約150ヘクタールにおよぶ広大な敷地には雑木林や谷戸が点在し、春には市立野山北公園で約2万株のカタクリが一斉に咲き誇る光景が訪れる人々を魅了します。自転車道沿いの桜並木は、花見を楽しめるサイクリングスポットとしても人気です。
また、狭山湖や多摩湖の造成時に使用された軽便鉄道・羽村山口線の跡地には、現在も横田トンネルが残されています。鉄道ファンにとっては貴重な遺構であり、密かな観光スポットとして親しまれている場所です。
食文化の面では、地元で親しまれる「村山かてうどん」が知られています。地元産小麦を使った太めの麺を、温かい醤油ベースの魚介だしに浸して食べるスタイルが特徴です。付け合わせの「かて(糧)」には、小松菜やほうれん草、ナスなど、季節の野菜が使われており、冠婚葬祭にも振る舞われてきた郷土料理です。
特産品には東京狭山茶のほか、みかん・ぶどう・梨といった果物も多く栽培されています。伝統工芸「村山大島紬」の産地としても知られており、今も手作業の技が大切に守られている地域です。
自然、文化、暮らしがやさしく溶け合う武蔵村山市。四季折々の風景や人々の営みに触れられる、あたたかさに満ちた地域です。