北海道民芸家具は1964年に大原総一郎氏によって設立された家具ブランドです。そのルーツとして、総一郎氏の父である孫三郎は近代西洋美術を展示する大原美術館を設立、その後大正期の民藝運動の中心事物となった柳宗悦や濱田庄司と交流を持ち、民芸運動を支援し日本民藝館の設立に協力していた経緯が有ります。
父とともに民芸運動を支えた総一郎氏は北海道にて産業振興と伝統技術継承を目的として北海道民芸家具を創業しました。創業当時には若者たちを松本民芸家具で家具作りの修行を積ませました。
北海道の大自然が生んだ潤沢な樺材を使用し、数々の製品を世に送り出します。戦後の高度成長期には大量生産の家具が流行し、伝統工芸品が軽視される風潮があった時代も樹齢100年を超える無垢材を使用した丁寧な家具作りは民芸運動の流れを組む美しさと品質の高さから全国各地に支持を広げる事になります。
2009年に北海道民芸家具は木製家具で高い実績と定評が有る飛騨産業がブランドを引き継ぐことになりましたが、民芸運動の流れと美学は変わることなく受け継がれ現在に至ります。
北海道民芸家具製品は「ホクミン」とも呼ばれ、製品の一部を除いて焼き印とタグが付いており、信頼の証しとなっています。

北海道民芸家具は、樺材を使用し、民芸運動の思想である使い込むほどに愛着が湧く「用の美」が有る事が挙げられます。日本人特有の生活に必要な機能と、北海道の豊かな自然が出会うことでブランド及びプロダクトが誕生しました。北海道の寒さに耐える木材を厳選して選び、熟練した職人が仕上げています。
民芸家具は和風家具というイメージが強いですが、ヨーロッパのトラディショナルデザインを継承し日本の伝統技術でつくられた洋家具に属するものが多いのが特徴です。
製品の仕上がりは扉や取っ手などの細部にまで職人の手作業によって丁寧に仕上げられており、日本の住宅事情と生活様式に有ったサイズで展開されています。