不用品を売って得たお金に税金はかかる?

不用品が思いがけず高く売れたとき「税金がかかるのでは」と気になる方もいるでしょう。
結論からいうと、自宅で日常的に使用していた家具や家電、衣類などを売却しても、原則として所得税はかかりません。
これらは「生活用動産」に該当し、売却による所得が非課税とされているためです。
生活用動産には、主に次のようなものが該当します。
- 衣類
- カバン
- 靴
- 家具
- 家電製品
- 雑貨類
- 書籍
- ゲーム
- 日常使いの腕時計 など
リサイクルショップやフリマアプリ、買取サービスなどを利用して生活用動産を売却した場合、この売却について所得税の確定申告は原則として必要ありません。
購入時より高い金額で売れた場合も、生活用動産に該当すれば基本的な扱いは同じです。
ただし、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうなどを売却した場合や、仕入れた品を継続的に販売している場合は、課税対象になる可能性があります。
税金がかかるのはどんなとき?

前述のとおり、日常的に使っていた家具や衣類などの「生活用動産」を売却しても、原則として所得税はかかりません。
ただし、生活用動産の非課税対象から外れる品を売って利益が出た場合や、利益を得る目的で継続的に取引している場合は、課税対象になる可能性があります。
ここでは、買取で税金がかかる3つの代表的なケースを紹介します。
利益が発生した場合(譲渡所得)
課税対象となる品物を購入時より高い金額で売った場合、その差額は「譲渡所得」として課税される可能性があります。
たとえば、以下のようなケースです。
- 20万円で購入した金のネックレスを80万円で売却した場合:利益60万円
- 30万円で購入した絵画を90万円で売却した場合:利益60万円
- 10万円で購入した骨とう品を45万円で売却した場合:利益35万円
ただし、利益が出たからといって、その全額に税金がかかるわけではありません。
譲渡所得には年間最大50万円の特別控除があり、控除後の譲渡所得が0円になるケースもあります。
譲渡所得の計算方法
- 譲渡所得 = 売却価格 −(取得費+譲渡費用)− 特別控除額(最大50万円/年)
取得費とは、品物の購入代金や購入時にかかった手数料などです。
譲渡費用には、フリマアプリやネットオークションの販売手数料、売却のために負担した送料など、売るために直接かかった費用が含まれます。
50万円の特別控除は品物ごとではなく、その年に生じた短期譲渡所得と長期譲渡所得の合計に対して適用されます。
また、所有期間が5年を超える資産は、特別控除後の長期譲渡所得の2分の1が課税対象です。
取得費や譲渡費用を確認できるよう、購入時の領収書や売却時の取引明細などは保管しておきましょう。
生活用動産以外の品を売った場合(譲渡所得)
生活用動産の非課税対象から外れる品を売却した場合も、譲渡所得の課税対象になる可能性があります。
代表的なものは、1個または1組の価額が30万円を超える次のような品です。
- 貴金属・宝石類(金のネックレス、ダイヤモンドの指輪など)
- 書画・骨とう品(絵画、掛け軸など)
ただし、30万円を超える品を売っただけで、直ちに税金が発生するわけではありません。
売却価格そのものではなく、取得費や譲渡費用を差し引いた利益をもとに譲渡所得を計算します。
実際に税金が発生するかどうかを判断する際は、次の項目を確認します。
- 購入時の価格や手数料などの取得費
- 売却時に直接かかった販売手数料や送料などの譲渡費用
- 年間最大50万円の特別控除
- 品物を所有していた期間
品物の種類や取得費が分からない場合は、売却額だけで判断せず、税務署や税理士へ確認してください。
継続的に取引を行っている場合(事業所得・雑所得)
自宅で使っていた不用品を一時的に売るのではなく、利益を得る目的で商品を仕入れ、継続的に販売している場合は、所得税の課税対象になる可能性があります。
このような取引による所得は、販売の規模や実態に応じて「事業所得」または「雑所得」として扱われます。
継続的な取引の例は、次のとおりです。
- フリマアプリやネットオークションで販売する商品を仕入れる
- 利益を得る目的で、商品の売買を繰り返す
- 在庫を保有しながら、継続して販売活動を行う
取引の単価が小さくても、継続性や営利性が認められれば、課税対象になる可能性があります。
その場合は、売上から商品の仕入代金や販売手数料、送料などの必要経費を差し引いた金額が所得です。
事業所得と雑所得のどちらに該当するかは、取引の規模や継続性、営利性などを踏まえて判断されます。
売上や必要経費の記録を残し、所得区分に迷う場合は税務署や税理士へ確認してください。
買取で確定申告が必要になるのはどんなとき?

不用品の売却が課税対象になり得る場合でも、すべての人に確定申告が必要とは限りません。申告の要否は、取引の内容や所得額、給与所得の有無などによって異なります。
ここでは、買取に関する取引で確定申告が必要になる主なケースを3つ紹介します。
確定申告が必要なケース①:継続的な取引で利益が出ている
営利目的で継続的に取引している場合、得た利益は「雑所得」または「事業所得」として扱われることがあります。
この場合の所得は、売上から商品の仕入代金や販売手数料、送料などの必要経費を差し引いて計算します。
確定申告が必要になる主な目安は、次のとおりです。
- 1か所から給与を受け、年末調整を受けている会社員など:給与所得・退職所得以外の所得が年間20万円を超える場合
- 給与所得がない方:1年間のすべての所得から基礎控除などの所得控除を差し引き、納める所得税が生じる場合
給与所得がない方の判断材料になるのが基礎控除です。
基礎控除額は合計所得金額に応じて決まり、令和8年分・令和9年分については、合計所得金額489万円以下であれば104万円が適用されます。
ほかに所得がなく、売上から必要経費を差し引いた所得が40万円だった場合、基礎控除を差し引くと課税される所得は残らないため、所得税は生じません。
基礎控除額は近年の改正が続いているため、申告前に国税庁の案内で最新の金額をご確認ください。
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。
売上と必要経費を正確に確認できるよう、取引明細や領収書などの記録を保存しておきましょう。
出典:国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」
確定申告が必要なケース②:高額な売却益がある
生活用動産の非課税対象から外れる貴金属・宝石・書画・骨とうなどを売却し、譲渡所得が生じた場合は、確定申告が必要になる可能性があります。
たとえば、次のようなケースです。
- 購入時より高い金額で金のネックレスを売却した
- 絵画や骨とう品を購入額より高く売り、利益を得た
譲渡所得には年間最大50万円の特別控除があります。複数の品を売却した場合は、それぞれの譲渡益を合算したうえで、取得費や譲渡費用、特別控除を反映して計算します。
そのため、売却による利益が50万円を超えたことだけで、確定申告の要否が一律に決まるわけではありません。
購入時の領収書や売却時の取引明細などを保管し、ほかの所得も含めて判断する必要があります。
確定申告が必要なケース③:相続・贈与品を売却して利益が出た
相続や贈与によって取得した美術品や貴金属などを売却し、譲渡所得が生じた場合も、確定申告が必要になることがあります。
相続・贈与によって取得した品は、原則として、被相続人や贈与者の取得費と取得時期を引き継ぎます。
相続時の評価額をそのまま取得費として計算するわけではありません。
譲渡所得を計算する際は、売却価格から、引き継いだ取得費や売却に直接かかった手数料・送料などを差し引きます。
一定の条件を満たす相続財産では、納付した相続税の一部を取得費に加算できる場合もあります。
被相続人や贈与者の購入金額が分からない場合は、所得の計算が複雑になりがちです。
取得費を確認できる資料がないときや申告の要否に迷うときは、税務署や税理士へ相談してください。
買取利用時の税金の疑問を解決!

ここでは、買取業者への売却に税金がかかるケースや、消費税、申告をしなかった場合の扱いについて解説します。
買取業者に売った場合も税金はかかる?
税金がかかるかどうかは、買取業者や個人などの売却先ではなく、売った品物の種類や利益、取引の目的・継続性によって判断されます。
買取業者へ売った場合でも、次のような取引は課税対象になる可能性があります。
- 1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうなどを売り、譲渡所得が生じた
- 販売するために仕入れた商品を売っている
- 利益を得る目的で、継続的に商品の売買を行っている
一方、自宅で日常的に使っていた家具や家電、衣類などは生活用動産に当たるため、買取業者へ売却しても原則として所得税はかかりません。
売却先が買取業者かフリマアプリかによって税務上の扱いが決まるわけではないため、品物の種類や仕入れの有無、取引の頻度などをもとに確認してください。
所得区分や申告の要否に迷う場合は、税務署や税理士への相談が必要です。
買取に消費税はかかる?
個人が自宅で使っていた家具や家電などの不用品を売却する場合、消費税はかかりません。
売った人が個人事業主であっても、生活用の資産を個人として売却した場合は同様です。
一方、消費税の課税事業者が販売用の商品や、事業に使用していた設備・備品などを売却すると、消費税の課税対象となります。
個人事業者や法人が課税事業者に該当するかを判定する際は、原則として前々年または前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超えているかが判断基準です。
ただし、前年の一定期間における課税売上高や、適格請求書発行事業者の登録状況によっては、1,000万円以下でも課税事業者となる場合があります。
事業用資産を売却する場合や、転売を事業として行っている場合は、自身が課税事業者に当たるかを確認してください。
▼買取と消費税についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
申告しなかったらどうなる?
確定申告が必要であるにもかかわらず期限内に申告しなかった場合は、本来納める税金に加えて、無申告加算税や延滞税が発生する可能性があります。
さらに、所得や取引を意図的に隠したり、事実と異なる記録を作ったりすると、重加算税の対象になることがあります。
特に悪質な脱税行為と判断された場合は、行政上の加算税とは別に、刑事責任を問われるおそれもあるため注意が必要です。
申告が必要だった可能性に気づいた場合は、そのまま放置せず、早めに期限後申告の手続きを進めてください。
自主的に申告した時期や状況によって、無申告加算税の扱いが変わる場合もあります。
申告方法が分からないときは、所轄の税務署または税理士に相談するとよいでしょう。
不安な場合は専門家に相談しよう

売却による所得が課税対象になるか、確定申告が必要かは、品物の種類や取得費、取引の目的・継続性、ほかの所得などによって判断が分かれます。
自分で判断しにくい場合は、次の窓口で確認してください。
- 国税庁の電話相談センターへ問い合わせる
- 個別の資料確認が必要な場合は、所轄の税務署へ面接相談を予約する
- 相続・贈与品や継続的な取引など、所得の計算が複雑な場合は税理士へ相談する
相談する際は、購入時の領収書や売却時の取引明細、販売手数料・送料などの記録を用意しておくと、取引の内容を伝えやすくなります。
申告が必要な可能性がある場合は、期限間近になる前に必要な書類をそろえておきましょう。
まとめ

自宅で日常的に使っていた家具や家電、衣類などの生活用動産を売却しても、原則として所得税はかかりません。
一方、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうなどを売って譲渡所得が生じた場合や、販売目的で仕入れた商品を継続的に売っている場合は、課税対象になる可能性があります。
確定申告の要否は、売却額だけでなく、取得費や譲渡費用、ほかの所得、利用できる所得控除なども含めて判断する必要があります。
購入時の領収書や売却時の取引記録を保管したうえで、判断が難しいときは税務署や税理士へ相談してください。
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