多古町の魅力は、自然の恵みを活かした農業と、地域に根づいた伝統文化です。なかでも全国的に知られるブランド米「多古米」は、栗山川の清流と肥沃な土壌に育まれた高品質な米として、天皇献上米にも選ばれた実績を持ちます。また、粘りと風味に優れる「やまと芋」も特産品のひとつで、県内随一の生産量を誇ります。
多古町の初夏を彩るのは、あじさい祭り。毎年6月に開催されるこのイベントでは、栗山川沿いに約1万株のあじさいが咲き誇り、訪れる人々の目を楽しませてくれます。会場では「多古米振舞行列」など多彩な催しもおこなわれ、地元の味覚を堪能できるグルメブースも充実。地域の魅力を五感で楽しめる賑わいのひとときです。
そして、夏の風物詩として欠かせないのが「多古祇園祭」。威勢のよい掛け声とともに引き廻される山車は迫力満点で、「しいかご舞」や「つぐめ柱」などの伝統芸能も披露されます。地域の歴史と誇りを今に伝えるこの祭りは、多古町ならではの熱気に包まれる特別な時間です。
文化面では、鎌倉時代に創建された妙光寺があり、千葉県指定文化財の木造妙見菩薩倚像を所蔵。武家文化の面影を残す貴重な史跡として、多くの人に親しまれています。
農と歴史、四季折々の行事が織りなす多古町は、訪れる人の心をほぐすような、やすらぎのあるまちです。