富里市は「すいかのまち」として全国的に知られ、毎年6月には「富里スイカロードレース」や「すいかまつり」が開催されます。市内は多くの来場者でにぎわい、農業と観光が一体となって地域の魅力を発信する季節の風物詩となっています。
市内には、歴史と文化を感じられる名所も点在。たとえば「香取神社」は、別名「すいか神社」として親しまれ、西瓜モチーフの御守や御朱印帳が人気です。「昌福寺」にある「三谷胤政供養塔(みたにたねまさくようとう)」は、江戸時代初期に活躍した土豪一族ゆかりの史跡で、静かな風景の中に歴史の面影を残しています。
2022年に開設された観光・交流拠点施設「末廣農場」も見逃せません。三菱財閥の岩崎久彌が開いた農場跡地に建てられ、地元の野菜や房総ポーク、加工品などが並び、お土産探しにもぴったりです。館内では、富里の農業の歩みや岩崎氏の功績を紹介する展示も楽しめます。
その向かいにあるのが「旧岩崎家末廣別邸公園」。大正末期から昭和初期に建てられた別邸跡を整備した歴史公園で、主屋・東屋・石蔵が富里市初の国登録有形文化財に指定されています。主屋は、モダンなガラス障子や呼び出しベルなど、当時の上流階級の暮らしが垣間見えるモダンな造り。2025年4月には一般公開がはじまり、注目が集まっています。
園内には四季折々の草花が咲き、野趣あふれる庭園も見どころのひとつ。東屋から眺める新緑や紅葉は、訪れる人に癒しを与えてくれます。
自然、歴史、そして農業の恵みが調和する富里市。日常の中にちょっとした発見と豊かさがある、魅力あふれるまちです。