婚礼タンスを処分するタイミング

婚礼タンスは嫁入り道具となっていたこともあり、使用されている素材が桐であるものが定番でした。
桐タンスに限らず婚礼タンスは素材や耐久性に優れているものが多く、使い方次第では何十年も使える「一生もの」のアイテムです。
そのため壊れたり不具合が生じたりすることも少なく、なかなか処分のタイミングがないかもしれません。
ここでは婚礼タンスを処分するタイミングを紹介していきます。
タンスの故障、損傷が激しい
丈夫な婚礼タンスとは言え、使用しているうちに破損や劣化などが見られる場合もあります。
婚礼タンスで使用される素材は木がほとんどなので、環境や使い方によってはカビが生えてしまったということもあるかもしれません。
カビや汚れはプロに頼んだり専用の洗剤を使ったりすることで取り除けることもありますが、補修が難しい場合は処分を検討しましょう。
長年使用していない・使用しづらいと思ったとき
婚礼タンスは基本的に服をたたんでしまう、引き出し式のものが多くなっています。
近年では服をたたまずにかけて収納するスタイルも多く、タンスは使いにくいと感じる人もいるかもしれませんね。
今の生活スタイルで婚礼タンスは必要ないと思ったときは、処分のタイミングだと言えるでしょう。
引っ越しや家族構成の変化などでスペースが取れないとき
婚礼タンスはサイズの大きなものが主流のため、置き場所に困っているという話もよく出ます。
たとえば「マンションやアパートに引っ越した」や「家族構成の変化で置くスペースがなくなった」など、ライフスタイルが変われば持ち続けることが難しくなることもあるでしょう。
大きな婚礼タンスはリフォームして小さなサイズに直すことも可能ですが、劣化や傷みなどが見られる場合は処分を検討してみてください。
遺品整理のとき
婚礼タンスは高価なものでありお祝い事の大切な品なので、高齢になっても使い続けているという人も少なくありません。
そのため、親が亡くなったときに残された遺族が「遺品整理」で処分するということが多くあります。
ただし婚礼タンスは大きくて重量があり処分するには労力もお金もかかるものなので、生前整理であらかじめ処分しておくということも検討してみましょう。
縁起物の婚礼タンスを処分してもいいの?

今ではほとんど見かけませんが、1970年~1980年代頃には婚礼家具を運ぶ際、通常のトラックではなく紅白の垂れ幕がついた「寿トラック」と呼ばれるトラックを使っていました。
寿トラックは荷台がガラス張りになっており、街をパレードのようにぐるっと回って、実に派手に婚礼家具の納入をしていたのです。
近年は「地味婚」や「アットホームでミニマルな結婚式」が主流になっていますので、当時のこのスタイルは今では考えられないような演出ですよね。
しかもこの「寿トラック」には、決してバックをしてはいけないという決まりもありました。
バックをしてしまうと「出戻り」を連想させ、縁起が悪いという考え方からです。
周りの車も、この婚礼トラックを見かけたらバックしなくていいよう配慮しなくてはいけないという暗黙のルールがあったほどです。
そうした歴史があることから、縁起物の婚礼タンスを自分の代で処分してしまうのは、縁起が悪く感じられて抵抗がある人も少なくないはずです。
しかし、核家族化の進んだ現代では家もコンパクトになってきており、婚礼タンスを子供に引き継いで代々使っていくのは難しくなってきています。
婚礼タンスを不要に感じたら、すでにタンスとしての「寿命」を果たしたのだと考えてもよいのではないでしょうか。
「今までありがとう」と感謝の気持ちを込めて適切に処分するのは正しいステップと言えるでしょう。
婚礼タンスの処分方法

ここからは婚礼タンスの処分方法について解説していきます。
それぞれの方法のメリット・デメリットや処分費用も紹介しますので、処分方法選びの参考にしてみてください。
処分方法1.自治体の粗大ごみとして戸別回収を依頼
一般的に多くの自治体では、30㎝角や一辺の長さが30㎝、または50㎝以上の大きさのものを、粗大ごみとして扱います。
婚礼家具はこの大きさに該当するため、粗大ごみとして処分します。
処分費用は自治体やタンスの大きさによって異なりますが、一般的には1,000円~2,000円ほどとなるでしょう。
戸別回収を利用するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・トラックで自宅前または収集場まで回収に来てくれる ・かかる費用が安い ・自治体で確実に処分できるので安心 | ・家から収集場まで婚礼タンスを運び出さなければならない ・多くの自治体では事前予約が必要 ・回収日が月に1回程度と少ない ・ごみは指定された回収日(平日)朝8時までに出さないといけない ・指定店舗にて手数料納付券の購入が必要 |
戸別回収で婚礼タンスを捨てる手順は次の通りです。
- 電話か自治体のホームページで回収を申し込む(このときに処分費用の金額を確認)
- 金額分の手数料納付券をコンビニやスーパー、郵便局などで購入する
- 納付券に必要事項を記入して、処分する婚礼タンスの見やすい場所に貼っておく
- 回収日当日の朝に指定の場所へ婚礼タンスを運び出す
どの自治体でも婚礼タンスは「タンス」の項目で詳細が確認できます。
たとえば愛知県名古屋市の場合、高さ120cm未満×幅90cm未満のタンス・チェストは手数料1,000円で処分でき、それ以上の大きさのタンスは1,500円となっています。
比較的安い金額で処分できるのは魅力ですが、大きな婚礼タンスを自宅から運び出すのは大人二人がかりでもかなりの労力です。
場合によっては解体や養生も必要になるほか、マンションやアパートのような集合住宅ではエレベーターの有無や住んでいる階数も考慮しなければなりません。
また、回収日が月に1回程度と少ないことが多いため、申し込みのタイミングによっては捨てるのが1か月先になることも。
急いで処分したいという方は、別の方法を検討してみましょう。
処分方法2.自治体のごみ処理場へタンスを持ち込む
同じく自治体で処分する方法として、ごみ処理施設へ直接タンスを持ち込むという方法もあります。
この方法は「自分で婚礼タンスを車へ積み込み、ごみ処理場へ運搬してから積み降ろしまでできる方」向けの方法です。
多少手間がかかる方法ですが、ごみ処理施設へ持ち込むのは自分なので運営時間ならいつでも利用可能で、複数のごみもまとめて処分できます。
引っ越しや大掃除などで婚礼タンス以外にも粗大ごみが複数ある場合や、戸別回収よりも早く処分したいという方はこちらの方法が便利でしょう。
ただしごみ処理施設の利用手順や持ち込めるごみの種類などは、自治体によって異なるため、お住まいの市町村のホームページでご確認ください。
自己搬入のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・ごみ処理施設の営業時間内ならいつでも利用可能 ・事前予約が不要なことが多い ・手数料は重量での計算になるため、ごみが多い場合は戸別収集より安くなりやすい ・ごみの量が多くてもまとめて処分できる | ・車が必要 ・ごみは自分で車に積み込まなければならない ・場合によっては積み降ろし作業が必要になる ・ごみ処理施設が遠い場合は運搬に時間がかかる ・利用できるのは平日のみ |
ごみ処理施設では重量によって手数料を決めており、たとえば愛知県名古屋市では10㎏ごとに200円、大阪府大阪市では10㎏ごとに90円となっています。
また、利用手順に関しても名古屋市と大阪市では以下のような違いがあり、自治体で大きく差が出ることがわかります。
名古屋市 | 大阪市 | |
---|---|---|
手順 | 1.ごみを車両に積んだ状態で、ごみが発生する区の環境事業所で受付 2.環境事業所で案内されたごみ処理施設へごみを持ち込む 3.処理施設で計量をして、10㎏までごとに200円の処理手数料を現金で支払 | 1.ごみの持込みを希望する前日に施設へ予約 2.当日、予約した焼却工場へごみを持ち込む 3.ごみの持込み時に、処理施設でごみ処理手数料(10㎏ごとに90円)を現金で支払 |
注意点 | ・搬入場所、受付場所が異なる | ・事前予約が必要 |
自己搬入においても戸別収集と同様に、自宅から婚礼タンスを運び出す作業が必要になります。
タンスを載せられる大きな車両も用意しなくてはならないため、自身で可能かどうか検討してから選択しましょう。
処分方法3.解体して可燃ごみとして処分する
一般的には粗大ごみとなるタンスですが、指定ごみ袋に入るサイズまでタンスを細かく裁断すれば可燃ごみとして処分できます。
木製のタンスであれば、ノコギリやハンマー、バールなどの道具を使用して解体できるでしょう。
この方法でのメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・可燃ごみは無料で捨てられるため、費用が安く済む ・予約や手続きが不要 | ・解体するための道具が必要 ・解体するためのスペースを用意しなければならない ・労力・時間がかかる ・解体したあと、パーツごとに分別が必要(木、釘など) |
費用が安く済むとは言え、道具を持っていない方やDIYに慣れていない方などにはあまりおすすめできません。
慣れていない方の場合はケガの恐れもありますし、ここまで労力をかけなくても自治体では比較的安い金額で処分できるからです。
普段から家具の解体や組み立てなどを自分で行っているという方や、運搬のためにどうしても小さなサイズにしたいという方は検討してみてください。
処分方法4.家具店の引き取りサービスを利用する
婚礼タンスを処分して、新しいタンスに買い替えるという方におすすめなのが「家具の引き取りサービス」です。
家具店では、新しく家具を購入した方向けに古い家具の引き取りサービスを実施している店舗があります。
購入した家具の運送時に古い家具を引き取ってくれるため、自分で古いタンスを運び出す必要がなく、古いタンスを保管しておく心配もいりません。
ただしこのサービスはどの家具店でも実施しているわけではなく、条件も店舗によって異なります。
また、引き取りは有料となることが多いためご注意ください。
以下は引き取りサービスを実施している店舗の一例です。
店舗 | 条件 |
---|---|
東京インテリア | ・大型家具商品を注文した方で、不要家具が購入商品と同種類・同程度サイズ・同数の場合 ・引き取り料金が家具の大きさによって異なる (収納家具は2,000円~4,000円) |
大塚家具 | ・対象は購入品と同等品(同用途品)および同数 ・引き取り料金は家具によって異なる (タンスは1,100円~4,400円) |
ACTUS | ・対象は新しい家具を購入した方 ・引き取り料金は家具によって異なる (収納家具は4,400円~14,300円) |
処分方法5.不用品回収業者に依頼する
婚礼タンスのような大きな家具の処分は、「不用品回収業者」の利用がおすすめです。
不用品回収業者は自宅やオフィスなどで出た不用品の回収・処分を依頼でき、場合によっては買い取ってもらうこともできます。
業者を利用する最大のメリットは「手間や労力がかからない」ということです。
通常、婚礼タンスを処分しようと思うと、自宅からの運搬や処分の申し込み手続きなどが必要になるケースが多くなります。
しかし、婚礼タンスは一人で運ぶのは難しいですし、大人が二人以上いても慣れていないとかなりの負担になります。
搬出経路に階段や狭い廊下がある場合には、作業者のケガや周りの壁・家具の破損などにも繋がるかもしれません。
業者に依頼すれば搬出・解体はすべてスタッフが行ってくれるため、依頼者は何もせずに済みます。
もちろん、タンス以外の家具や家電なども同時に引き取ってもらえるので、引っ越しで大量に不用品が出た場合や生前整理・遺品整理にも便利です。
不用品回収業者のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・好きな日時に依頼できる(土日も可) ・早ければ即日回収も可能 ・面倒な手続きが不要。電話やメールなどで依頼できる ・不用品の買取をしてもらえる ・回収品のジャンルが幅広い ・分別・運び出し・家具解体・家電取り外しなどもしてもらえる ・オプションサービスが充実(ハウスクリーニング・遺品整理・引っ越しなど) | ・業者選びを慎重に行う必要がある ・自治体に比べると処分費用が高くなる (婚礼タンス1点で3,000円~要見積もり) |
不用品回収業者は民間のサービスなので、回収日時や回収時のサービスなどを柔軟に対応してもらえるのが魅力です。
また買取サービスのある業者を利用すると、不用品の中に買取品がある場合にはその分の費用を差し引いてもらえて、トータルの処分費用が安くなります。
婚礼タンスも状態によっては買い取ってもらえるかもしれないため、見積もり時に問い合わせてみましょう。
ただし、業者によっては買取やハウスクリーニングなどの、オプションサービスを実施していない場合もありますのでご注意ください。
不用品回収業者への依頼手順
不用品回収業者は数多くあるため、業者選びが重要になります。
なかには「無料回収」を謳って、あとから高い処分料金を請求してきたり、適切に処分せず不法投棄をしたりする悪質な業者もいるため注意が必要です。
基本的に、業者のホームページがあり所在地や実績を公開している場合は、優良な業者であることがほとんどです。
インターネット上で検索をしたらいくつか業者が出てきますので、サービス内容や条件などを確認して気になる業者を選んでみてください。
その上で自宅の住所が対象エリアであることを確認し、まずは見積もり依頼をしてみましょう。
不用品回収業者を利用する流れは以下の通りです。
- 見積もりを依頼する
- 見積もりをもらう(作業内容、金額、サービスなどを確認)
- 依頼が確定したら作業日を決める
- 作業後、料金を支払い
本来は実際に処分する品物や自宅などを見てもらってから正確な見積書を出してもらいますが、メールや電話などでも大体の料金を提示してもらえることもあります。
見積もりや相談は無料としていることがほとんどですので、まずは問い合わせてみましょう。
婚礼タンスは売却できる?

婚礼タンスは高価なものなので、捨てるのではなく「売れないか」と考える方もいるかもしれませんね。
結論を言うと、お祝い事や縁起物のほ意味を持つ婚礼タンスは、ほかの家具に比べて中古品の需要が少なく、買い取ってくれる店舗は少ないでしょう。
それでも品質のよい桐ダンスや有名民芸メーカーのタンス、アンティーク的価値の付きそうな婚礼タンスであればわずかでも買取価格が付く可能性があります。
ここでは婚礼タンスの売却方法について紹介します。
リサイクルショップで売却
リサイクルショップは幅広いジャンルの品を扱い、身近に店舗があることも多いのがメリットです。
婚礼タンスの場合、取り扱っている店舗は限られますが、状態・品質のよいタンスであれば買い取ってもらえることもあります。
売却方法は基本的に「店頭買取」「宅配買取」「出張買取」から選択でき、大型家具である婚礼タンスは出張買取がおすすめです。
しかし、出張買取は「最低利用点数」や「買い取れるサイズに上限がある」ということもありますので、事前に条件を問い合わせてみましょう。
フリマアプリやネットオークションに出品
メルカリやラクマなどのフリマサイトやネットオークションを利用する手段もあります。
フリマサイトやネットオークションでは自分で値段を設定できるほか、ユーザーが多いため買取を断られたものでも売りやすいことがメリットです。
婚礼タンスは収納の容量が多く、造りがしっかりしていることから格安で欲しいという人がいるかもしれません。
タンスは処分すると費用がかかるため、たとえ安くても売却したいという方は出品してみてはいかがでしょうか。
ただしフリマサイトやネットオークションを利用する方法は、以下のようなデメリットもあります。
- トラブルを避けるため、商品説明は詳しく書く(傷やへこみなどある場合は特に)
- 梱包、自宅からの運び出しと発送は自分で行う
- 送料を負担する場合はこれを考慮した価格で販売
- 売れるまでは自分で保管しなくてはならない
出品作業の際は商品の説明や画像を用意し、売れたら梱包や発送作業が必要になります。
これらの手間がかかることや、確実に売れる保証がないということを理解しておきましょう。
買取専門店で売却
家具専門の買取店や、買取を専門に行う店舗などで婚礼タンスを売却する方法もあります。
このような店舗では多少古いものや壊れたものでも自社で修理して再販したり、別に再販ルートを保有したりしていることが多く、買い取れる幅が広がりやすくなっています。
また、家具の知識が豊富なスタッフが在籍している店舗では、桐タンスやアンティーク品などを適正に査定してもらうことで高値が付くかもしれません。
こちらも買取方法は「出張買取」が可能ですので、まずは問い合わせてみましょう。
当社「買取いちばん」でもタンスの買取をしています。以下で詳しく買取品目を紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ

今回の記事では婚礼タンスの処分方法や、買取について紹介してきました。
婚礼タンスは、結婚という節目における一生に一度の贈り物ですが、もし役目を終えたと感じられたのなら処分しても縁起が悪いということはありません。
大きなタンスはスペースを取りますし、地震の際に倒れて被害が出ることも考えられます。
不要になったら早めに手放すことも検討してみましょう。
しかし実際に処分するとなると、運搬の労力や処分費用が心配という方も多いはずです。
とにかく簡単に、ラクに処分したいという方には「不用品回収業者」がおすすめです。
婚礼タンス以外のものもまとめて処分できるので、家の中をスッキリと片付けられます。
また、婚礼タンスの状態がよい場合や、価値の高い桐タンスや和タンスなどは売りに出してみるのも一案です。
このようなタンスは新品で購入するとかなり高価なものも多く、中古品でも状態によっては売れるかもしれません。
「買取いちばん」ではタンスの買取をしており、大型でも1点からでもご自宅に伺います。
年中無休なので土日や祝日、大型連休のときでも対応可能です。
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