掃除機は小型家電リサイクル法対象

掃除機は「小型家電リサイクル法」に該当するため、ルールに従ってリサイクルするのが一般的です。
ではどのようにリサイクルするのかというと、回収方法にはいくつか選択肢があり、自治体によっても異なる場合があります。
ここでは小型家電リサイクル法についてや、回収方法について解説していきます。
小型家電リサイクル法について
一昔前まで掃除機を含めた小型家電は、廃棄物として埋め立て処理されていました。
しかし小型家電には鉄、アルミ、銅、貴金属、レアメタルなど有用な金属が含まれており、政府によると金は約7千t、銀は約6万tもの量が埋め立てられていると言われています。
これらの資源は今まで有効活用されることなく埋め立て処理されてきましたが、リサイクルすることによって以下のようなメリットが生まれます。
- 金や銅などの有用金属が国内で回収されて再資源化
- 有害物質(鉛など)を含む小型家電の適正処理
- 廃棄物の量が削減され、ごみの埋立地である最終処分場を延命化
こうした目的を持ち、小型家電のリサイクルを進めていくために作られたのが「小型家電リサイクル法」です。
小型家電リサイクル対象品目は?
家電のリサイクルを促す法律には、「家電リサイクル法」と「小型家電リサイクル法」の二つがあります。
どう違うのか、対象品目を比較してみましょう。
家電リサイクル法 | 小型家電リサイクル法 | |
---|---|---|
対象品目 | 家電4品目(テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・乾燥機) | 携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機、時計、炊飯器、電子レンジ、ドライヤー、掃除機など、4品目以外のほとんどの家電が対象 ただし回収できるかどうかは自治体によって異なる 参考:一般社団法人 小型家電リサイクル協会 |
この二つは対象品目だけでなく、回収方法も異なるため注意してください。
小型家電の回収方法は?
小型家電をリサイクルするためには、主に以下の4つの方法で回収してもらえます。
- 自治体による回収
- 家電量販店による回収
- 家電の製造メーカーによる回収
- 不用品回収業者による回収
小型家電リサイクル法対象の機器は、小売店や自治体などで回収し、認定事業者によってリサイクルされるという仕組みです。
ただし自治体については回収体制が整っているかどうかによって、回収方法や対象品目に違いが出てきます。
自治体での回収を利用する際は、お住まいの市町村のルールを確認しておきましょう。
掃除機の処分方法6選!

ここからは掃除機の処分方法について解説していきます。
小型家電リサイクル法のところでも触れたように、小型家電として回収・処分をする場合や、ごみとして処分する場合など、6通りの手段をお伝えします。
自身の状況や自治体の条件などに合わせて、最適な方法を選択してください。
処分方法1.不燃ごみで処分する
自治体によって掃除機は「不燃ごみ」として処分できる場合があります。
一般的にごみの大きさが30㎝角以内や、一辺の長さが30㎝や50㎝以下となる場合は普通ごみ扱いとなり、掃除機のように不燃性のものは「不燃ごみ」扱いとなります。
ただし自治体によっては掃除機について、分別区分を「粗大ごみ」としている地域もあるため、心配な場合は直接確認してみるとよいでしょう。
お持ちの掃除機が不燃ごみとして処分できる場合は、不燃ごみ用の自治体指定ごみ袋か、透明の袋に入れて回収日に指定の回収場所へ出すだけです。
費用は「無料」としている自治体が多く、用意するものもごみ袋だけなので最も安い料金で処分できます。
多くの自治体では週に1度~月に1度は回収日があるため、掲示板や自治体ホームページの回収カレンダーを確認しておきましょう。
処分方法2.粗大ごみとして処分する
自治体によっては掃除機の大きさに関わらず、分別区分を「粗大ごみ」としていることもあります。
粗大ごみでの回収は自宅近くまで回収に来てくれる「戸別収集」と、自分でごみ処理場まで持ち込む「自己搬入」の2通りが選択できます。
どちらも手数料を支払うことになりますが、自治体での回収となるため比較的安い料金での処分が可能です。
ただし予約が必要となる場合や、回収日が少ない、自分で回収場所まで運搬しなければならないなど、不便な点もあります。
それぞれの手順について、以下に紹介します。
【戸別回収】
- 電話かホームページから回収を予約(このときに手数料の金額を確認)
- 金額分の手数料納付券をコンビニ・スーパー・週便局など、自治体指定の店で購入
- 手数料納付券に必要事項を記入し、処分する掃除機に貼り付ける
- 回収日の当日朝8時までに掃除機を指定された回収場所に置いておく
一般的に予約は収集日の3日~7日前ほどで締め切ります。
タイミングによっては申し込み後から回収日まで1か月程度かかることもあるため、掃除機の処分を急いでいる方はご注意ください。
【自己搬入】
- ごみを分別し、車両に積み込む
- ごみを載せた状態でごみ処理施設で受付
- 指定された場所へごみを搬入
- 計量し、ごみ処理の手数料を支払う
自治体によって手順が異なる場合があるため、事前にお住まいの市町村のホームページなどで確認しておきましょう。
手数料は重さごとに決められていることが多く、愛知県名古屋市では10㎏ごとに200円です。
また自己搬入の場合、名古屋市では予約不要ですが受付場所、ごみの搬入場所がそれぞれ異なります。
一方、大阪府大阪市の場合は持ち込む前日までに予約が必要です。
主な自治体での掃除機の捨て方・手数料など
全国的に、掃除機は小型のものであれば小型家電や不燃ごみとして回収可能で、大きなサイズであれば粗大ごみとして処分するのが一般的です。
ここでは主な自治体での掃除機の捨て方や、手数料などをまとめています。
自治体名 | 掃除機の分別区分 | 手数料 |
---|---|---|
愛知県名古屋市 | 一辺が30cmを超えるものは粗大ごみ 小型掃除機は小型家電回収ボックスでも処分可能 | 粗大ごみ:250円 ごみ処理施設へ持ち込み:10㎏ごとに200円 小型家電回収ボックス:無料 |
北海道札幌市 | 不燃ごみまたは小型家電回収ボックス バッテリーは取り外して販売店・協力店の回収箱へ | 回収ボックスは無料 不燃ごみは有料 |
東京都新宿区 | 一辺が30cmを超えるものは粗大ごみ | 400円 |
大阪府大阪市 | 掃除機のサイズに関係なく粗大ごみ | 粗大ごみ:200円 ごみ処理施設へ持ち込み:10㎏ごとに90円 |
神奈川県横浜市 | 掃除機のタイプによって分別が異なる 一番長い辺が30㎝以上の金属製品、金属以外(プラスチック商品、木製品など)で50㎝以上は粗大ごみ | 200円 |
福岡県福岡市 | 指定袋に収まる場合は燃えないごみとして処分可能 収まらなければ粗大ごみとして処分 | 300円 |
処分方法3.小型家電回収ボックスへ持ち込む
掃除機は「小型家電リサイクル法」の対象品目であるため、多くの自治体で回収・リサイクルをしています。
回収方法は主に以下の4通りで、どの方法も「無料」で利用できます。
回収方法 | 手順 |
---|---|
ボックス回収 | 公共施設、家電量販店、総合スーパーなどに設置されている小型家電回収ボックスへ投入 |
ステーション回収 | ごみの回収場所で資源回収と一緒に回収 |
イベント回収 | イベント開催の期間に限定して回収 |
ピックアップ回収 | 排出された不燃ごみの中から小型家電を選別して回収 |
お住まいの自治体で実施している回収方法や回収対象機器などを確認して、自身に合った方法を選択してください。
なお、多くの自治体で行っている回収方法は「リサイクルボックス」での回収です。
回収ボックスは、総合スーパーや市役所などの施設に設置されており、施設の営業時間内であればいつでも利用できるため便利です。
小型であれば掃除機は比較的持って運びやすい製品ですから、お近くに回収ボックスを置いている場所があればこの方法での処分は手軽に感じる方もいるでしょう。
ただし、回収ボックスの投入口の大きさに入るサイズでなければ利用できません。
一般的に投入口の大きさは「30㎝×40㎝」ほどですので、ハンディクリーナーのように小型のものに限られます。
また、自治体によって掃除機は対象としていない場合や、小型家電の投入に関してルールが設けられていますので、事前に確認してから持ち込むようにしましょう。
例として、愛知県名古屋市でリサイクルボックスを利用する際の条件や注意点を紹介します。
- 投入口の大きさ:縦15㎝以下かつ横40㎝以下かつ奥行25㎝以下
- 取り外し可能な電池(バッテリー)は取り外す
- 回収ボックスに入らないハンディ掃除機、ロボット掃除機は環境事業所で無料回収可能
処分方法4.家電量販店で下取り・引き取りしてもらう
小型家電リサイクル法により、大手家電量販店では小型家電の回収をしています。
お近くに店舗がある場合は掃除機を直接持ち込むことで、スピーディに処分できるでしょう。
主に以下の方法で回収してもらえます。
- リサイクル回収
- 新しい掃除機の購入時に下取り回収
店舗によっては、新しい掃除機の購入時に古い掃除機の下取りサービスを実施しています。
その際は掃除機の購入価格が安くなるため、買い替えを予定している方は検討してみてください。
一方、リサイクル回収の場合は店頭でリサイクル料金を支払い、回収してもらいます。
掃除機のリサイクル料金は550円(税込)~1,100円(税込)ほどが一般的ですが、自宅まで引き取りに来てもらうと運搬費がかかるためご注意ください。
処分方法5.宅配便による回収
不要な小型家電を段ボール箱に詰め、回収リサイクル業者へ送って処分する方法もあります。
多くの自治体で推奨されている「リネットジャパンリサイクル株式会社」は、あらゆる小型家電やパソコンを回収、リサイクルしている認定事業者です。
ホームページから簡単に申し込みができるうえ、梱包のための段ボール箱も購入できます。
リサイクル費用はかかりますが掃除機以外の小型家電も同時に処分できるので、まとめて捨てたいものがあるときや、回収店舗が遠方で利用しにくい方にはおすすめです。
処分方法6.不用品回収業者に依頼する
掃除機以外にも家具や家電など、あらゆるジャンルのものを一度に処分したいときは不用品回収業者がおすすめです。
不用品回収業者はトラックで不用品を引き取ってくれるため、一度にたくさんの不用品を処分できます。
また、分別や解体なども業者でしてくれるため手間がかかりません。
引っ越しや大掃除などで、掃除機を含め大量に不用品が出たというときにはぜひ検討してみてください。
ほかにも、不用品回収業者を利用するメリットは以下のようなものがあります。
- 回収日は好きな日時が希望できる
- 自分での分別・解体・運搬などが不要
- 買取サービスやハウスクリーニングなど、オプションサービスが充実
- 業者によっては即日対応可能
- 面倒な手続きが不要
買取サービスを実施している業者であれば、不用品の中から再販可能なものを買い取ってくれるため、処分費用がお得になるかもしれません。
査定を依頼し、もし買取不可であってもそのまま引き取ってもらえるので、別で処分する手間が省けます。
最近ではメールやLINEからお問合せや簡単な査定ができる業者も多いため、まだ使える家電や家具などがある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。
ただし不用品回収業者は数が多く、なかには不法投棄や高額な費用を請求する悪徳業者もいますので、透明性の高い誠実な業者を見極めるのが大切です。
また費用はほかの処分方法よりも高めになることが多いので、ホームページの実績や料金プランなどを確認し、まずは見積書を依頼してみてください。
できれば2~3社で比較し、プラン内容や料金が明確な業者や、スタッフの対応が誠実なところを選びましょう。
掃除機を売却して処分する方法

掃除機のメーカーやモデル、状態によっては売却して処分することも可能です。
売却ができれば処分費用がかからないだけでなく、収入にもなるので嬉しいですよね。
ここでは掃除機の売却方法と、売れる可能性のある掃除機のポイントをお伝えしていきます。
1.リサイクルショップで売却する
掃除機はお近くにあるリサイクルショップで売却できることがほとんどです。
たとえば大手リサイクルショップである「セカンドストリート」では、さまざまなメーカーの掃除機・クリーナーを取り扱っています。
リサイクルショップでは幅広い品目に対応しており、掃除機以外のものも一度に買い取ってもらえるのがメリットです。
売却方法は主に「店頭買取」「宅配買取」「主張買取」の3つですが、掃除機や小型のものなど持ち運びが容易なものや、車両が用意できる方は店頭買取するとその場で即現金化できます。
自分での持ち運びが困難な方や近くにリサイクルショップがなく、車も用意できないという方は「宅配買取」や「主張買取」の利用がおすすめです。
リサイクルショップでは一度に多くのジャンルのものを売却できるのが魅力ですが、専門知識を持つスタッフの在籍が少なく、ほかの買取手段に比べると査定額が安くなりがちです。
お持ちの掃除機を少しでも高く売りたいという際には、別の買取店へも査定を依頼してみましょう。
2.家電の買取専門店で売却する
家電専門の買取店は、掃除機を含め家電に特化した買取店です。
家電の知識が豊富なスタッフが在籍しており、メーカーや状態による適正価格を出してもらえるのはもちろんですが、その時の人気モデルや需要なども考慮して査定してくれます。
また、自社で修理できる技術や販売ルートを持つ買取店では、壊れた掃除機や古い型の掃除機にも値段を付けてくれることもあるでしょう。
掃除機を少しでも高く買い取ってもらいたいという方は、専門店での売却がおすすめです。
ただし家電専門の買取店は実店舗を持っていないことも多く、買取方法は「宅配買取」や「出張買取」がメインです。
その場合、1点だけの出張買取では経費と相殺になってしまう場合があるため、買取の最低点数が設けられていることもあります。
依頼前には条件や手数料の有無などを確認してからご依頼ください。
3.フリマサイトやネットオークションに出品する
フリマサイトやネットオークションに掃除機を出品する方法もあります。
自分で出品から梱包、発送手続きまで行う必要はありますが、販売価格も設定できるため場合によっては買取店よりも高く売れるかもしれません。
またフリマサイトやネットオークションではパーツのみの販売や、多少の故障があってもジャンク品としての販売が可能です。
掃除機は購入時にヘッドやフィルターなどの替えパーツが付いていることもあるため、これらが未使用であれば高く売れることもあるでしょう。
ただしフリマサイトやネットオークションは必ず売れる保証がなく、売れるまでの日数も予想が付きません。
出品しても売れるまでは掃除機を保管し続けなければならないので、保管スペースがない方にはおすすめできない方法です。
また、掃除機が売れた際の配送料を負担する場合には、いくらかかるかやフリマサイトへの手数料なども考慮して、損にならない販売価格を設定しましょう。
掃除機を売るときのポイント

ここでは掃除機を買取に出す際のポイントを紹介します。
査定額アップに繋がる可能性もあるため、ぜひチェックしてみてください。
1.汚れを落とし、なるべくキレイにしておく
掃除機に限らず中古で何か買い取ってもらうときは、落とせる汚れを落としておくだけで印象が大きく変わります。
見た目のキレイさはもちろんですが、掃除機内部のホコリや汚れもできるだけ落としておくと高価買取に繋がります。
2.なるべく早く売る
家電は製造年数が経つほど故障や不具合が起きやすくなるため、不要になったら早めに売るのが重要です。
掃除機の場合は製造年月日から5年以内が買い取ってもらいやすくなります。
しかしモデルやメーカーによっては5年経過していても値段が付く場合があるため、買取店へ問い合わせてみるのもおすすめです。
3.付属品を揃えておく
取扱説明書や外箱、ノズルやブラシ、バッテリーなど付属品がある場合は揃えて出すようにしましょう。
紙パック式の掃除機の場合は対応の紙パックもセットで付けられると、買取価格が上がるポイントになります。
4.需要の高い時期に売りに出す
査定額が高くなりやすいのは、掃除機の需要が高まる月です。
一般的に掃除機を求める人が増えるのは引っ越し・新生活を始める人が多い3・4月の前や、転勤の多い9月の前、大掃除シーズンの12月の前などです。
この時期に査定に出すことで、査定額アップが期待できます。
中古市場で人気の掃除機ブランドはこちら!
以下のメーカーの掃除機は人気が高いため、中古でも高値が付きやすくなります。
- Dyson(ダイソン)
- iRobot(アイロボット)
- Panasonic(パナソニック)
- HITACHI(日立)
- MITSUBISHI(三菱)
- SHARP(シャープ)
- TOSHIBA(東芝)
- Electrolux(エレクトロラックス)
- Karcher(ケルヒャー)
- Shark(シャーク)
- BALMUDA(バルミューダ)
これらのメーカーの、人気モデルで比較的新しいものは買取額が数万円になることも珍しくありません。
特にコードレス掃除機やロボット掃除機は人気が高く、高額査定になりやすいでしょう。
まとめ

今回のコラムでは、掃除機の処分方法や買取について詳しく解説してきました。
掃除機は小型家電リサイクル法の対象品目であり、自治体や家電量販店などで回収しています。
市町村のホームページや店舗のサイトなどで回収方法を確認し、利用しやすい手段を選択してみてください。
また、人気のメーカーやモデルの掃除機であれば、状態によって買い取ってもらえる可能性があります。
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