イームズの家具とはチャールズ＆レイ・イームズ夫婦がデザインした家具の事を指します。イームズは20世紀を代表するデザイナーで、夫のチャールズは1907年、ミズーリ生まれ、ワシントン大学で建築を学び1930年に建築事務所を設立。妻のレイは1912年サクラメント生まれ、アーティストの道を歩んでいましたが、1941年、チャールズと結婚。 イームズ夫妻は建築、家具のデザインを続け、初期に手掛けた合板加工だけでなく、プラスチック、繊維強化プラスチック、ワイヤーを素材とした椅子をデザインし、家具メーカーのハーマンミラー社に提供しました。
ミッド・センチュリー・モダンの巨匠と称される2人は、家具だけでなく、映画制作、写真、展示デザイン、グラフィックデザインなど20世紀のあらゆるデザイン分野で数々の金字塔を残しています。モダンデザインと称する分野で彼らの影響を受けていない者はいない、と言っても過言ではありません。のちに2人が発表した家具の多くは、名作としてニューヨーク近代美術館（MoMA）に永久所蔵品として保管されており偉大な功績を讃えられています。

イームズの家具の特徴は使用される丸さや曲線の使い方の美しさに表れています。イームズが遺した作品の中で代表的なシェルチェアやラウンジチェアだけでなく、ラ・シェーズやハンガーのハング・イット・オールにも曲線の美しさがあらわれます。このデザインへの評価は現代にも表れており、それはミッドセンチュリー系やモダン系以外のコーディネートに用いられる事、つまりあらゆるインテリアのジャンルにクロスオーバーされている点です。
また、イームズ特有の曲線はチェアにおいては人の体のラインを計算して作られており、座り心地も良い事でも知られています。駅などの公共の場に置かれているベンチもイームズのデザインをベースに作られており、彼ら夫婦の評価を高めています。